てまひまオンラインで取り扱う、日本の食のいいもの。そのストーリーを生産者さんの声を通して紹介する「Pick up!つくりてブログ」。第7回目は脱サラファクトリーさん。
はじめまして、兵庫県淡路島 自凝雫塩の生産者 末澤輝之と申します。
塩つくりは海の目の前で行っています。
例年11月に入ると西風が強くなり、秋までの様相がガラっとかわり毎日台風のような天気が続きます。今年は暖かいのか、まだあまり波が高くなく過ごしやすい日々が続いています。お塩を作り始め、会社として設立したのが2013年5月。そこからたくさんの方に助けていただき、もうすぐ10周年を迎えようとしています。
創業当初よりずっと同じ鉄釜を使っていましたが、そろそろ天寿を迎えようとしています。うちの塩つくりは海水を鉄釜に入れて、薪で火をくべて海水の水分を蒸発するという原始的な方法です。
この方法は鉄釜で使用する鉄には非常に過酷で、どんどんと錆で脆くなっていきます。通常は5年ほどでダメになることが多いのですが奇跡的に10年も耐えてくれました。
塩つくりを初めて、いままで本当に語りつくせないくらいの思い出を暑い日も、寒い日も、台風の日も一緒に作ってきてくれました。たくさんの思い出をありがとう・・・
別れはつらいですが、塩つくりは続けないといけません。
がんばってくれた釜の代わりを作らなければなりませんので、つい最近製塩所をすぐ近くの神社横に移転し、新しい釜がわが製塩所へ来てくれることとなりました。
鉄釜は最初からすぐ炊けるわけではなく、しばらく釜を炊きながら火力がどうなるのか特徴把握をし、鉄に含まれる錆と油を出していきます。2週間ほど炊き続け、表面に海水由来の白いカルシウム分がついてからやっとたきはじめることができます。
やっと新しい釜も僕たちとやっていけるように慣れてきてくれたようです。最初テストで仕上がったお塩はヤンキーな塩からい塩でしたが、今では丸くやさしい、包み込むような滋味深い落ち着いた味になってくれました!
この新しく来てくれた釜とも楽しみながらたくさんの思い出を作ることになりそうです!
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