腸内環境を整える【栄養士てまひまブログVol.2】

最近は秋らしくなり過ごしやすい季節になりました。ただ、季節の変わり目は、体調を崩しやすい時期でもあり、不調を感じている方も多いのではないでしょうか。秋は冬支度の季節でもありますので、免疫器官とも呼ばれる腸にアプローチする食生活をお勧めします。健康な腸内環境は、免疫機能だけでなく消化や代謝、美肌等、多くの側面に影響を与えます。

 

腸内環境を整えるキーワード

私たちの腸の中には、「腸内細菌」が生息していると考えられています。
腸内の菌は、次の3つに大きく分類されます。

■善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌)
腸のぜん動運動を促してお腹の調子を整え、悪玉菌の侵入や増殖を防ぐ。

■悪玉菌(ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌)
腸内を腐敗させ、有毒物質をつくる菌。

■日和見菌(バクテロイデス、大腸菌)
善玉菌、悪玉菌のどちらか優勢なほうの味方をする。免疫力が衰えてくると悪玉菌として働く。

善玉菌を効果的に増やす概念として、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」というキーワードがあります。

プロバイオティクス:
ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌そのものを摂取します。腸内の善玉菌を増やすことで、腸内バランスを維持し、健康をサポートすることが期待されています。
(主な食材)
ヨーグルト、納豆、味噌、ぬか漬け、キムチなど

プレバイオティクス:
プロバイオティクスの活動をサポートし、腸内の善玉菌の成長を促進する食物成分または栄養素です。プレバイオティクスは、主に食物繊維の一部であり、人間の消化酵素で分解されず、腸内で発酵されることで腸内善玉菌の栄養源(エサ)となります。
(主な食材)
りんご、バナナ、きのこ類、豆類、寒天、こんにゃくなど

プロバイオティクスは生きた微生物であり、プレバイオティクスはこれらの微生物の栄養源です。両方とも共に摂取することで、腸内の善玉菌の増殖とバランスを促進し、消化器官の健康をサポートする役割を果たします。

 

海藻の食物繊維

プレバイオティクスである食物繊維。食物繊維は、身体の中で有用な働きをすることが注目され、第6の栄養素とも呼ばれています。水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維の2種類に分類されています。
海藻類である「わかめ」には、便を軟らかくすることでスムーズな排便を促す「水溶性食物繊維」と食物の通過速度を促し便が軟らかくなることを助ける「不溶性食物繊維」の両方が含まれています。

 


お刺身としても楽しめる、うずしおに揉まれた鳴門わかめ NARUTO WAKAME JAPAN(うずしお食品)を是非お試しください。
わかめには食物繊維以外にも、骨の健康に寄与するカルシウムや、甲状腺機能の調整をするヨウ素、マグネシウムやビタミンも豊富に含みます。

 

腸内環境を整える食品の組み合わせ

腸内環境を整える食べ合わせとして、食物繊維と一緒に摂取したほうが良い食品は、プロバイオティクスである「発酵食品」です。
発酵食品とは、微生物(主に乳酸菌や酵母)によって発酵させられる食品です。これによって食品の風味や栄養価が変化し、腸内に有益な微生物を届けることが期待されています。代表的な発酵食品には、ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け、醤油、味噌などがあります。

お刺身わかめでお醤油をつけて召し上がって頂くことも良いですし、わかめの味噌汁も腸内環境を整えることに期待ができます。

 


150年モノの木樽が醸造する、ミネラル豊富な酵母・酵素が生きたままの「生味噌」である常盤味噌(井上味噌醤油)がおすすめです。

 

食物繊維と発酵食品は腸内健康をサポートするために重要な役割を果たす要素です。バランスの取れた食事に意識して摂り入れることで、健康な腸内環境を維持し、免疫力の向上や美肌にも繋がるといった多くのメリットがあります。


日ごろから食生活を意識し、腸内から健康で美しい身体づくりを目指しましょう。

文/ 栄養士 石原綾子