紫外線とインナーケア 【栄養士てまひまブログVol.1】

9月になり徐々に秋を感じられる方も多いのではないでしょうか。暑さからは少し解放され、紫外線の量や強さのピークは過ぎたものの、まだまだ紫外線には注意が必要な時期です。紫外線は、波長によってUVAUVBUVCに分けられていますが、地表に届くのはそのうちUVAUVBです。

 UVA・・・肌に急激な障害を与える作用は弱いものの、肌の奥深くまで到達し蓄積的なダメージを与え、肌のハリや弾力を失わせ、シミやしわの発生を引き起こす原因にもなる。

UVB・・・エネルギーが強く、短時間でも肌が赤くなる炎症反応や色素沈着反応を引き起こす。炎症やしみの原因となるだけでなく、肌表面の表皮細胞やDNAを傷つける可能性もある。

UVAUVBともに肌の光老化だけでなく、皮膚がん、白内障、免疫機能低下の原因となります。美容面にも健康面にもダメージを与える紫外線の対策をするために、日焼け止めクリームを塗ったり、日傘等のUVカット製品を身に着けることだけでなく、身体の内側からも対策をすることがポイントになります。

 

食べるUVケア!

身体の内側からの紫外線対策や日焼け後の肌におすすめの食材は【トマト】です。

 ビタミンAやビタミンCといったビタミン類に加え、むくみを予防するカリウムなどを含む栄養たっぷりのトマトは、赤い色素である「リコピン」も豊富に含んでいます。この「リコピン」は抗酸化作用が強く、紫外線による肌の酸化を抑えてくれます。抗酸化作用とは、体内で活性酸素が発生するのを抑制する作用のこと。 基本的に、活性酸素自体は身体に必要なものですが、紫外線やストレス、喫煙、排気ガス等により体内の中で増えすぎると、細胞や組織にダメージを与え、皮膚にシミ・シワ、たるみが発生したり、生活習慣病の原因となる可能性があります。リコピンは、この活性酸素を消去する力を持ち、メラニンの生成を抑え、紫外線による肌の赤みや、色素沈着などの皮膚ダメージを予防・軽減する効果が期待されています。リコピンを摂取する食材として、ジュースやピューレ、ケチャップ等のトマト加工品もおすすめです。その他、金時人参、すいかや柿、あんずにも含まれています。

 

吸収率UP方法!

美肌効果や生活習慣病の予防に効果的なリコピンを、より身体に効率よく吸収させるための方法をいくつかご紹介します。

●油と一緒に調理をする、食べる

リコピンは脂溶性であるため油脂に溶けやすいとされており、植物性油脂と同時に摂取すると吸収率が向上すると言われています。

 農薬不使用栽培で育てたえごまだけを使用した尾田川農園さんの岩手えごま油をかけていただくと、美容と健康のためのトマトサラダに。

 

えごま油はオメガ-3脂肪酸を豊富に含んでいます。オメガ-3脂肪酸は、心血管の健康をサポートし、脳の健康にも関与しています。また、皮膚の保湿効果をサポートし、炎症を抑制するとされています。抗酸化作用を持つビタミンEも豊富に含みます。

 

 ●加熱して食べる

加熱によってトマトの細胞壁が破壊され、リコピンがより簡単に利用可能な形に変化します。この変化により、消化酵素がリコピンにアクセスしやすくなります。味や旨みもUPします。

 ●食べるタイミング

最も吸収率が高いとされる時間帯は朝に食べることが良いという研究結果があるそうです。朝食にそのまま食べたり、サラダに入れたり、トマトジュースを飲んだり。

身体に良いものを取り入れて、食事からのインナーケアを意識してみてください。

文/ 栄養士 石原綾子